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事故ってんじゃねぇ馬鹿ネコ

 買い物帰りに野良猫が轢かれる現場に遭遇したのですが、対処に色々としくじってしまいました。共有しておきたい情報ということでここに書き留めておきます。


状況としては私が歩いていたら大きな音がしたので振り返ったところ、大型の車両にぶつかってしまったのか猫が道路の端に倒れておりました。重傷ながら、まだかろうじて生きている状態でした。

そういう状況のシミュレートなどしていなかったので軽くパニックに陥り、とりあえずスマホで「猫 轢かれた 連絡」と調べたところ、#9910(道路緊急ダイアル)というのを知ってそこにかけたんですが、「生きている動物だと手出しできないので警察に連絡してください」とのことでした。

すぐ警察に同様の内容で通報し、住所を伝えるとすぐに来るとの事だったので、私もそこで待つことにしました。


 待つあいだ、とにかく二重に轢かれることだけは防ぎたいところですが、自分の手で血塗れの猫に触れるのは衛生的に問題アリと考え、車両には申し訳ないのですが猫の前に立ち、避けて頂く様に身振りで誘導をすることにしました。

この行動に関しても難しいところなのですが、例えば横に立つだけですと、運転手の視線が私に奪われて道路上の猫を轢いてしまう可能性もあるので逆効果かなと。

もともとが交通の妨げになるものが落ちているので、それを目立つようにするというのが一番かなと思います。一番良いのは近場から三角コーンなりを持って来て立てて置くなどが良かったのでしょうか。

またそうして待っている間、通行人のひとりが心配になって声を掛けて下さいました。私が「通報しましたし、警察の到着までここで待っています」と伝えると、安心して去って行きました。


 残念ながら警察官が到着した時には猫は亡くなっておりました。

警察官の方からは「生きていても我々にはどうしようもない。その場合は市役所に連絡してくれ。」という事を言われました。それならなぜ通報した時点でそれを教えてくれなかったのかと憤りを感じましたが、それもお門違いな話かもしれません。

轢かれた猫を「障害物として処理」するのか、「命として処置」するのかは大きく違います。目撃し、通報した自身がそれをハッキリと伝えることが大切なのです。

記憶が確かなら、通報時の私の文言は「猫が轢かれた。死にかけている。来て欲しい。二重に轢かれないようここで見ている」というもので、「猫を助けたい」という意図が伝わるものでは決してなかったでしょう。

そもそも、自分の気持ちさえよく分からないまま通報してしまったのですから、当然です。

私はこれと言って動物愛護の精神があるわけではないので、まずは人間への迷惑を考えて、という意図で通報しました。

が、助けたいという意図が全く無かったわけではないのです。

障害物として処理される猫を見ていると、どこか「助けたかった」という気持ちが痛むわけです。

それに、声を掛けてくれた通行人の方は「助けたかった」のかもしれません。しかし私は結果的に助ける為の最善の手段を取っていないにも関わらず、その方を安心させるようなことを言って現場を去らせてしまいました。

最終的には、警察官が来た後、騒ぎを聞きつけてやってきた近隣の住民によって弔われることになりましたが、どうも後味の悪さが拭えないのです。

ひとそれぞれ野生動物に対しての感情は違うと思いますが、自分の感情に最も則した対処をしないと後悔します。後悔しないためにも、こういう時にどうするべきか、だけでなく、自分はどうしたいのか、をちゃんと自問自答しておくべきなのです。

これに限らず、「どんな結果を求めているのか」がひとそれぞれで、しかも自分でも分かっていないことって多くあると思います。きちんと自分の気持ちを理解し、他人ともコミュニケーションを取ることは難しいですが大切ですね。


 現在の気持ちとしては、あの馬鹿ネコはちゃんと生きて、道路の怖さを知ったうえで他のネコにもそれを伝えるなどして頂きたかった。

これを読んだ方が動物の事故に遭遇した際に、自身が納得できる形でそれに対処できるよう願います。



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