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幻想郷・最新版地理考察

もう20年以上続いている作品なのに、公式から全体的のはっきりした地理が明示されていないというのも凄まじいですが、もうちゃんとはっきりさせようということで、今回は公式の文言&方位に関する知識をもとに幻想郷の地理考察をしてみました。根拠に加えて問題点等も書いておきますので参考にして下さると嬉しいです。


〇求聞史紀「危険区域案内」

ここに示された位置関係は以下の通り。

・博麗神社は幻想郷の東の端

・香霖堂は人間の里から魔法の森方面

・霧の湖は妖怪の山の麓

・大蝦蟇の池は妖怪の山の中腹

・無縁塚は魔法の森の奥

・人間の里から見て妖怪の山の反対側に迷いの竹林、無名の丘、太陽の畑がある

・三途の河は妖怪の山の裏にあり、里から向かうには中有の道を通る

※このうち太陽の畑、三途の河はそれぞれ「山の反対側、山の裏」と表現されているが、同書内で「通常、山とだけ言う場合は妖怪の山を指す」とあるため、この山とは妖怪の山の事と思われる。


〇五行思想から考える方角

・五行思想で四つの方位を守護する神獣を四神と言い、東に青竜、西に白虎、南に朱雀、北に玄武と対応する。

東端に位置する博麗神社の祭神が龍であるようなことが仄めかされている事を考えると、他の四神についての考慮も有意義と考える。即ち、玄武の沢はそのまま北方に。虎を本尊とする命蓮寺は西に居を構えるのが風水的に好ましい。また、鳳凰と朱雀は厳密には異なる存在だが同一視される事が多いため、妹紅の主な活動場所たる竹林が南方であることも必然足り得る。

・四(五)季も五行思想で方角に当てはめると、東は春、西は秋、南は夏、北は冬とされており、四季異変で東の端にある博麗神社に春が訪れた事を考えると、1・2・4面についても方位に対応した季節になっている可能性が高い。よって妖怪の樹海は西・魔法の森は北に寄った位置にあると推定できる。


〇八卦の概念から考える方角

・八坂神奈子の能力「乾を創造」とは謎が多いが、地形を変化させるものであると求聞口授に書かれている。乾とは北西を指し、この能力が北西の方位に強く作用するものであるなら、湖を移動させたのも人里から見て北西部であると思われる。

・洩矢諏訪子の能力は「坤を創造」とあり、命蓮寺の建立には神奈子と共同で手を貸したそうだが、下に埋まってた奴との因縁も考えると諏訪子が主導で行っていた可能性が高めであり、坤は南西を指すため命蓮寺は人里から見て南西部であると思われる。

・八雲紫の衣装のモチーフにもなっている「艮」は北東を指す。これは鬼門とも言われる方角で、東方Project内でも「境界が薄くなる方位」とたびたび言及されている。外来の物が漂着しやすい無縁塚や、そもそもが外界からの侵入者である紅魔館は北東に位置すると考えて良い。


〇その他情報

・仏教では死者の世界は西にあるとされている

・三月精で魔法の森の地図と博麗神社参道の地図が描かれたことがある

 

と、主にこれらの要素それぞれになるべく歩み寄った結果できあがったのがこの地図になります。

が、この地図にも多くの問題点が存在します。


〇妖怪の山の規模感

妖怪の山の成り立ちについては小説版儚月抄で「コノハナサクヤビメに破壊される前の八ヶ岳の姿」と解説されています。

現在の八ヶ岳は特定の山ではなく、長野山梨にかかる高山群の総称ですが、この辺りに、かつて富士山よりも高い山があったという伝説があります。

この妖怪の山を「コノハナサクヤビメに吹き飛ばされた富士山よりも高い余剰分(の巨岩)」とするなら、富士山以上の規模であるという説は回避可能ですが、そうなると火山ではあり得ないことになり、儚月抄での発言と矛盾してしまいます。

永夜抄で永琳が用いた「太古の月」と同様の概念と捉え、破壊される前の八ヶ岳全体を想定するのが自然かと思われます。


〇妖怪の山の形

求聞史紀のイラストでは、岩肌の露出が始まっている所を森林限界とすると推定される標高は4000mは下らないといった感じで、鐘状火山のようで傾斜も急ですし、奥には同程度の規模の山のシルエットが見えています。

この地図に収まりきらない場所に山頂があり、またさらに高い山と連なる形で、地図の真北にもう一枚分ぐらいの規模で山肌が広がっていると考えてよいでしょう。玄雲海・天界などもその辺りから辿り着けるぐらいに遠いのかもしれません。

小説儚月抄でも妹紅をして「いつか山頂行きたい」と言わしめる程なので、守矢神社など一般人が到達できる領域ではまだまだ序の口なのでしょうか。


〇三途の河、山の裏か?

上記の規模感で山の裏となると、富士山の直径が44㎞であるため、人里からそれと同等以上離れていることになります。

しかしそこに続く中有の道は、求聞史紀では一般人でも辿り着ける観光地のように紹介されているのが問題となります。

三途の河について書かれた「山の裏側」でいう山に限っては妖怪の山ではないのか、または現実の八ヶ岳のように、それに連なる比較的低い山も総じて「妖怪の山」としているのか。

今回の地図では後者の解釈を採用し、「死後の世界は西」という仏教の見解にも沿う形で三途の河を流してみました。


〇麓とは???

この図だと霧の湖が妖怪の山の麓とは言い難い場所に見えますが、博麗神社も同様に麓の神社と呼ばれることがあるため、上記のような妖怪の山の規模を考えると、幻想郷全体で標高が低い場所は全て妖怪の山の麓と呼んで差し支えないかと思われます。現実にも富士山と街を挟んで反対側にあるような店が「富士山麓」と付く名の看板を出したりしていますし。


〇幻想風穴そこかァ~?

これまた求聞史紀で「竹林の地下に妖怪世界がある」と書かれており、旧都のことであると推察できます。

また、間欠泉は博麗神社の近所に発生しましたが、幻想風穴は間欠泉とは位置的には無関係であり、八雲紫が唯一知る旧都への入り口であったものと考えられます。

間欠泉の位置と幻想風穴の位置に因果関係が見られなかったからこそ、地霊殿1面で霊夢は「何でこんなじめじめした所に来なきゃいけないの?」と愚痴をこぼしていたのでしょう。

また、地下間欠泉センターも位置的には無関係と思われます。こちらは真下に灼熱地獄跡があるはずなので、博麗神社の近所以外にも多数発生した間欠泉のうち最も灼熱地獄跡の真上に近く、山の勢力からのアクセスも無難な位置に建設するのが自然です。

よって地霊殿では、幻想風穴から北に向かう形で旧都、地霊殿、灼熱地獄跡と進行していったという推定で今回の位置に決定しました。


〇命蓮寺と無縁塚が遠い

求聞口授ではナズーリンの主な活動場所が無縁塚と書かれています。この地図ほど離れていると頻繁に往来することはできないでしょうが、それぐらい離れたところにいる方が逆に愛おしいこともあるよな!


〇大蝦蟇の池と霧の湖が遠い

我々はチルノの機動力を甘く見ていたのかもしれない。


〇その他所在が不明な場所について。

・迷い家 → これは非常に判断が難しいですが、妖々夢での会話から道程に再現性の無い異界であると考えています。幻想郷は長野県で、迷い家は岩手県ですから、言ってみれば佐渡ヶ島の狸の里の様に外の世界を挟んで存在しているべき場所であるのに、現在は何らかの理由で幻想郷と行き来が可能になっている状態、と思われます。

橙は今でこそ「式の式」と称されていますが、ゆくゆくは八雲紫が幻想郷の賢者であるように迷い家の賢者として迷い家を独立した国として管理することになるのだと思います。

いずれにしても、迷い家に迷い込もうと思ったらやはり結界の薄い無縁塚上空を漂流するのが一番遭遇しやすいかと。


・幽冥結界 → 三途の河と同様に、死後の世界は西にあるという仏教の理に従い、中有の道の上空あたりに構えられているのが自然でしょう。


・茨木の隠れ家 → 断定には至りませんが、茨歌仙での活動範囲から考えると博麗神社からそう遠くない場所かなと考えています。


・輝針城 → これは移動可能な建造物と考えて良いのでしょうか。そうでないとしたら輝針城の道のり的には迷いの竹林を越えて南に出現し、現在もそこに浮遊していると思われます。


・人間の里の施設 → 里の地理に関しては妄想度が激高になってしまいますが、ある程度以下の通りかと想像はしてあります。

稗田邸の辺りが防衛区、鈴奈庵・寺子屋の辺りが居住区、霧雨商店の辺りが商業区、南の辺りは工芸・畜産、黄色いところは農地。北西の区画は貧民街・繁華街・廃墟(旧行政区)などです。


・廃洋館 → ごめんなさい。私の調査不足なのでしょうが、どうしても「霧の湖に面している」という情報の出典が掴めません。どなたか情報提供お願いします。


・夢幻館 → 旧作は守備範囲外なのですが、いちおう太陽の畑からのアクセスも良好な地点に湖を描いておきました。


・妖々夢3面 → 謎極まりない場所ですが、ステージタイトルと同時に表示される英文にヒントがあるかと思いまして、翻訳したのですが

「雪が降っているのはこの楽園だけ? 楽園は既にアリスの遊び場よ。」

などとあまり場所の特定には繋がらない怪ポエムだったので、単純に雪が降ってはしゃいで外に出てたという解釈でいいんじゃないでしょうか。

無理に推測をするならば、迷い家から抜け出した地点が無縁塚として、そこから風上(西)に向かうまでのどこかに、あのギリシャ建築的な床の建物があるのでしょうかね。


 

#東方

 

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